【シリーズ:ミドリナリポート】#9
第30回ミドリナcafé「探してみよう、冬の鳥」
緑な白書要約版「森と暮らしの手引き」P7
「森感度を育む」〜体感を大切に より
森と人をツナグための定期イベント「ミドリナcafé」。第30回は「探してみよう、冬の鳥」と題し、ミドリナ委員会執行部委員でもある小林健吾さんを案内人に伊那市・高遠城址公園周辺の野鳥観察を行いました。
今年で4回目、毎年の恒例行事となりつつあるミドリナの野鳥観察会ですが、その背景にあるテーマは上記にある通り、「森のなかでの体験を重ねること」なのだとか。小林健吾さんは趣旨についてこう説明します。
「高遠城址公園に最初に桜が植えられたのは1876(明治9)年のこと。この場所は、それから約150年という長きに渡り管理されてきた『安定した自然環境のある公園』です。それは私たち人だけでなく、多くの野鳥にとっても『なじみの森』になっているということ。そのような場所で、見つけられる鳥の数を追うのではなく、『鳥たちがどのように過ごしているのか』に着目して、観察会を行なっています」
そんな想いのもと開催された今回も、巣づくりを始めようと蜘蛛の巣や蛾のまゆを集めているエナガや、群れをなして公園で時をすごすアトリ、鳴き声で楽しませてくれるイカルなど、さまざまな鳥の姿や声に感覚を研ぎ澄ましながら10数種類の鳥たちの様子を見聞きすることができました。
「鳥の観察は、森とつながるきっかけ」と小林さん。「私はたまたま鳥に魅せられて今に至りますが、昆虫でも植物でも、森の中の存在に目を向けていると、おのずと人間と自然とのつながりについても思い至るように感じます。人間は、人間だけでは暮らしていけない、そのことを頭で考えるよりも感覚で受け取ることができる場所に私たちは暮らしている。そんな伊那市の豊かさについてこうした会を通じて体感したら、これをどう活かし、ソーシャルフォレストリー都市としてどのように育んでいけるかについても、みなさんと話し合っていきたいですね」
ミドリナcaféではこのほかにも、鳩吹山のピクニックや日本の森づくり現場を訪ねる会など、地域内に暮らす講師をナビゲーターとしたイベントを開催し、さまざまな切り口で市民と森をつなぐきっかけづくりを行なっています。ピンときたらぜひ、気軽に足を運んでみてください。きっと予想を超えるようなたくさんの出会いと発見が待っています!
「森と暮らしの手引き」はこちらからご覧いただけます。
https://midorina.jp/news/1271/