上牧里山づくり

①地区の概要、取組の背景等 
伊那市上牧地区に於いては、段丘に位置する里山を生活の糧とし(燃料等)、大切な財産として守り 続けてきた。段丘斜面に住宅開発等することなく今日に至っている。
しかし、守るべき人材が高齢化し、若者は里山に無関心の状況で里山全体が荒廃してきた。上牧区に於いて、区民の意思高揚を目指し平成24年度元気づくり事業として「上牧区民協働による里山づくり」、地域づくり事業として「高齢者と協働による上
牧花咲く郷づくり」を実施し地域協働・環境保全・環境形成の意識が大分醸成されて来た。平成24年から上牧里山整備として、赤松等の間伐(約25h)を実施し上牧区里山全域森林整備に取り組んできた。また、上牧共有地が区に移管した所有の山林(澤山約15h)についても、区民共有の財産として整備をし続けてきた。平成24年度「天竜川河岸段丘里山自然パークづくり」を立ち上げ平成25年度元気づくり事業として認可された。更に平成25年度に「上牧里山づくり」を立ち上げ、平成30年まで森林・山村多面的機能発揮対策交付金を受け、里山保全・環境整備・木育等により地域住民と協働で地域活性化を図ってきた。
②取組概要
上牧里山づくりの活動は、かつて生活に根付いていた「おらが里山」を再度復活し、子供から高齢者まで誰でも身近な森として生活の中で利用出来ることを目指すものである。
そのために長期的展望に立ち自らの手で、定期的に雑草木の刈払い・植樹、作業道・自然体験道路(パ ブリックフットパス)の整備・補修・管理、そして共有地の公園化整備を行い(あずまや、マレットゴルフ場、ピザ窯・燻製施設設置、炭焼窯及び炭焼小屋設置、足湯及びバーベキュー施設、トイレの設置等)、多くの方々の屋外でのコミュニティーの場を作り、健康的な生活を共有できる場の提供も行ってきた。
上牧区の共有地、個人所有の山林を一括整備し、そこに自然体験道路(パブリックフットパス)を総延長7km整備することにより、上牧区民はもとより、周辺住民、小学校、保育園、子育て関係者が機会あるごとに活用できるようになったことは大き
な成果である。自然体験道路を利用した自然観察会、ウォーキング、オリエンテーリング、山菜取り・キノコ狩り等企画することにより区内はもとより、近隣市町村、時には県外からも参加されるようにもなった。また信州大学上原三知先生にアドバイザーとして多く助言いただきながら事業を進め、特に開かれたフットパスとして英国の事例を参考 に、その精神も学びながら開かれた里山づくりを実行していることである。特に小学生・園児が里山で活動することの影響・効果を学術的に調査され、その重要性を報告し新聞等にも掲載された。

住所:長野県伊那市上牧6350-1(上牧区公民館)

電話:0265‐78‐3320・090‐9955‐0421(代表 大野田 文吉)/ 090‐6147‐9026(唐木隆夫)

FAX:0265‐78‐3320

メール:oonotafc@kbd.biglobe.ne.jp(大野田文吉) / tbxsdfront589@yahoo.co.jp(唐木隆夫)

URL:https://ameblo.jp/satoyama13/

■ この活動の強み

上牧区民約1800名+賛同者で組織され、構成員に多様な専門家が加わっている、常
に10名以上の会員がボランティア参加する体制ができている。

■ 今後、チャレンジしたいこと

ようやく根付き始めた里山づくりを次世代に引継ぎ、広く地域に定着させることがこれからも大きな課題である。第一ステージは開発・整備が軸足であったものを第二ステージは施設等の保全と将来に向けた森づくりを軸足に新たな森林の姿を模索することが重要であると認識するものである。地域環境保全、森林資源利用、森林機能強化を計りつつ、里山を教育・研修活動の場として活 用しつつ、さらに将来に向けて樹種転換を含めた計画的森づくりを事業の柱にする段階と考えるのである。

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