ミドリナ クォリティ Vol.7[森ジョイ] 2020.03.31 QUALITY

2019年11月3日(日)、第2回目となる「森JOY」が
伊那市 市民の森(ますみヶ丘平地林)にて開催されました。

オープニングセレモニー

ミドリナのコンセプトである「森・人・美」。そのイベントの幕開けにふさわしく、オープニングセレモニーでは伊那市在住の花人・唐木さちさんによる花入れが披露されました。
 ステージ上に最初にあしらわれていたのは、近隣に自生するもみじを用いた”花屏風”。光や風は通しつつも、森とステージをやわらかく区切り、特別な空間をかたちづくっています。
「今日は、遊ぶような感覚で花をおさめさせていただきます」との言葉に始まり、竹で作られた花器に次々と草花を入れていく唐木さん。花の説明や、日本の文化と共にある花のお話など軽やかなトークと共に、手を止めることなく花入れは続きます。
「普段から、自家の庭で育てたお花で空間を整える仕事をしていますが、あちこちへ花を持っていくと皆さんが『きれいですね』とおっしゃってくださいます。伊那という地には、このように美しい森があり、そこから川が流れて、霧が降りる。その中で特別にきれいなお花が咲いてくれているのだと思います」と伊那市の森の恵みを享受する喜びについても改めて語ってくれた唐木さん。
設えられたステージの美しさに会場からは大きな拍手が巻き起こり、自然の持つ豊かさを改めて感じられる瞬間となりました。

 

森ジョイ
森ジョイ
森ジョイ

ジビエトーク 10時30分~

「森のキッチン」内に新たに登場したジビエエリア。このエリアを担当する3名が「ジビエ愛」あふれるトークを繰り広げました。
林業士として働いていた際に食べた野生肉の強い味に感銘を受け、ジビエ料理人へ転身したという長谷部さん。「『獣害だから』ではなく『美味しい肉を食べる』という感覚で循環ができたら」と語る一方で、伊那市の解体場が機能しておらず、松本や中川から肉を購入している現状に触れ「地元で肉が獲れるのに使うことができない。地域に解体場がないのは本当に残念」と課題を提起しました。
一方、中川村地域おこし協力隊としてジビエ加工施設に勤務し、多い時で1年間に70頭以上を解体していたという高橋さん。任期を終えた現在はイベント出店、ケータリングを通じて鹿肉料理を提供する活動を続けており「鹿肉はとても美味しい肉。しっかりした処理とアイディアさえさえあればもっと循環できるはず。まずはたくさんの方にその味わいを知ってもらいたい」と話しました。
  また、伊那谷の自然や文化を次世代につなぐNPO活動の中で森の問題に出会ったという杉浦さんは信州大学の教授から聞いた話として「かつては落ち葉を肥料にしたり、木を家の材にするなど人間が森と上手に付き合っていた。しかし人と山の関わりが希薄になったことで、森の奥にいた獣が里山で爆発的に増えるようになってしまった」と説明。捕獲されても廃棄されてしまっていた鹿肉の状況を踏まえ「美味しく食べることで、森と の暮らし方を改めて考えるきっかけになれば」と語りました。
  この日、ジビエエリアでは鹿肉のハムやペースト、ソーセージなど3名の料理を盛り合わせた「コラボプレート」が提供されましたが、あっという間に完売。大きな可能性を秘めた伊那市のジビエのこれからに期待が集 まっています。

登壇者の皆さん

  • 鹿ジビエと山師料理の宿 ざんざ亭
    長谷部晃さん
  • ヤマドリ食堂
    高橋詩織さん
  • 奏の森×Le joujou
    杉浦歩実さん&娘さんお二人
ジビエトーク

 

鹿ジビエと山師料理の宿 ざんざ亭長谷部晃さん
ヤマドリ食堂 高橋詩織さん
奏の森×Le joujou 杉浦歩実さん&娘さんお二人

登壇者の皆さん

  • 鹿ジビエと山師料理の宿 ざんざ亭
    長谷部晃さん
  • ヤマドリ食堂
    高橋詩織さん
  • 奏の森×Le joujou
    杉浦歩実さん&娘さんお二人

ジビエトーク
鹿ジビエと山師料理の宿 ざんざ亭長谷部晃さん
ヤマドリ食堂 高橋詩織さん
奏の森×Le joujou 杉浦歩実さん&娘さんお二人

森を健康に保つ伐採と、馬と森で働く馬搬のお話と見学 11時~

森林では、木々の枝や葉が覆い茂ることで地面に日の光が届かなくなり、森そのものが徐々に弱っていきます。適度に間伐を行い循環させることが森を丈夫にし、健康に保つことにもつながるのです。
ここでは、会場となった「市民の森」の管理を担うNPOメンバーの西村一樹さんが、チェーンソーによるコナラの木の伐採を披露。さらに、うまや七福の横山晴樹さんと農耕馬のビンゴくんが、馬の力で森から木を運び出す「馬搬」を実演しました。
木が倒れる瞬間の迫力ある音と振動。さらに、大きな丸太を力強く曳くビンゴくんの姿に、集まった子どもたちからは「馬ってすごい」「小さいのに力持ちだね」と感心の声も。「ビンゴくんがんばれー!」という大きな声援が森の中に響きました。

見学
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見学
見学
見学
見学
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今と未来の暮らしのために たき火のススメ 12時30分~

「赤々と燃え上がるたき火を前に行われたトークセッション。SBCラジオ「つれづれ散歩道」などでもおなじみの武田徹さんを進行役に、登壇者4名がたき火の魅力について語り合いました。
子どものころは囲炉裏やお風呂など「火のある暮らし」が当たり前のように身近にあったと語る武田さん。一方、現在も登山や渓流釣りに加え、たき火を趣味にしているという白鳥市長は「伊那市に、たき火ができる子どもを増やしたい」との願いから、子どもたちとの「冬の自然観察会」を16年間にわたって続けているといいます。
「雪の上に残る動物の足跡探しや野鳥の観察、木々の芽の観察などに加えて、子どもたちが苦労しながらも一番喜ぶのがたき火。

伊那市 たき火のススメ5か条

  • 一、たき火は森への入り口と心得よ
  • 一、たき火は人をつなげる道具なり
  • 一、たき火は生きる基本の師と仰げ
  • 一、たき火は森の文化と敬うべし
  • 一、たき火は作法で燃やす安らぎなり

雪に濡れた木に苦戦しながら火をつけて、雪解け水で味噌汁を作って持ってきたおにぎりと一緒に食べる。実際に体験するからこそわかる喜びがあるんです」と白鳥市長。ステージ上では白鳥市長による「たき火の実演」も行われ、薪の組み方や、自然の風を利用してたき火をつけるコツも披露されました。
最後は、伊那市ミドリナ委員会が「伊那市 たき火のススメ5か条」を提案。身近にありながらも、昔より希薄になってしまっている森と人との関係。森の恵みを使ってたき火を囲み、心と身体に温もりを得ることが、森とわたしたちの暮らしを近づける第一歩になるはずです。
「たき火のススメ5か条」を確認した証として登壇者4名がパネルにサインを入れ、トークセッションは笑顔のうちに幕を閉じました。

伊那市 たき火のススメ5か条

  • 一、たき火は森への入り口と心得よ
  • 一、たき火は人をつなげる道具なり
  • 一、たき火は生きる基本の師と仰げ
  • 一、たき火は森の文化と敬うべし
  • 一、たき火は作法で燃やす安らぎなり

パネリスト

友好提携都市新宿区長 伊那市長
吉住健一さん 白鳥孝さん
フリーパーソナリティー 伊那市ミドリナ委員会委員長
武田 徹 さん 柘植伊佐夫さん

トークセッションたき火

 

トークセッションたき火
トークセッションたき火
トークセッションたき火

パネリスト

  • 友好提携都市新宿区長
    吉住健一さん
  • 伊那市長
    白鳥孝さん
  • フリーパーソナリティー
    武田 徹 さん
  • 伊那市ミドリナ委員会委員長
    柘植伊佐夫さん

見学
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見学
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森のコンサート 13時50分~

メインステージでの最後のイベントは「森のコンサート」です。
「世界を魅了するバリトン歌手」高橋正典さんと 伊那市出身の「魂を揺るがすピアニスト」平澤真希さんを中心に野外コンサートが開催されました。

 平澤さんの作曲による「水のプレリュード」から始まり、シュトラウス作曲「Morgen モルゲン」「Amazing grace」では、高橋さんの重厚な歌声が響き渡ります。木々の間を抜け、360度すべての方角から降り注ぐ美しき音色とその世界観に魅了されました。
「ピアノは本来、室内で弾くために作られた楽器。でも、実際に外で弾いてみたら鳥の声や風のそよぐ音とピアノの音色が調和してとても感動しました」と話す平澤さんが、自然や地域の暮らしからインスピレーションを受けて作曲した「聖なる樹の声」、「長谷村ざんざ節変奏曲」「赤とんぼ」などの楽曲も披露。
 また、ゲストとして登場したのは、伊那フィルハーモニー交響楽団のフルート奏者・戸田舞さんとクラリネット奏者・頓所しのぶさんのお二人。モーツァルト作曲の「Ave werum corpus」、ドビュッシー作曲の「月の光」が演奏され、フルート&クラリネットの甘く透き通った音色が森を駆け抜けます。続いて、伊那市立東部中学校合唱部の皆さんが合唱曲「ほらね、」 を披露。男子2名、女子19名のメンバーが、中学生らしい爽やかで伸びやかな歌声を響かせました。

その後、高橋さん、平澤さんと合唱部の競演による「いのり」が披露され、 ラストはミドリナ委員会委員長の柘植伊佐夫さんが作詞、 伊那市出身の天山さんが作曲したオリジナル曲 「森のこえ」。時とともに移ろいゆく森の姿を情景豊かに描き出した歌詞と美しいメロディが、深い森の中で一層の輝きを放ちました。
 このひと時をいつまでも楽しんでいたい…。そんな想いを表すかのように、長く鳴り止まない大きな拍手。音楽を通じて得られた「森と共鳴する喜び」は、訪れた全ての人々の心に忘れがたい余韻を残しました。

 

野外コンサート
野外コンサート
野外コンサート
野外コンサート
野外コンサート
野外コンサート
野外コンサート

 

Forest Kitchen 森のキッチン

木々の間からやわらかな光が射し、いつもよりゆるやかな時が流れる森の中。その豊かさを目で、舌で感じられるのが“森“をテーマにした屋台が並ぶ「森のキッチン」です。

キノコや山菜を使った森のオムレツをはじめ、伊那谷のそば粉を原料にしたガレット、かまど炊きの新米&キノコ汁、雑穀のお料理、地元野菜を使ったスパイスカレーに加えて、ほっこりとした味わいの森のおやつや、ドリップで丁寧に淹れてくれるコーヒーなど、出店者の想いが込められた品が並びました。

また、今年は森のキッチン内に「ジビエエリア」も初登場!
伊那の名物「そば」と森の恵み「鹿」を使用し、ミドリナがプロデュースした「鹿南蛮そば」をはじめ、ステージで「ジビエトーク」を繰り広げた3名によるコラボプレート、ざんざ亭・長谷部さんのジビエ料理、ヤマドリ食堂・高橋さんの「鹿ソーセージ入り和風ポトフ」、東京自由が丘のフランス料理店「Le joujou」シェフの監修による「鹿ソーセージと古代小麦と鹿ラグーの揚げピッツァ」など、ここでしか食べることのできないメニューが提供され、参加者のお腹と心を満たしました。

Forest Kitchen 森のキッチン
Forest Kitchen 森のキッチン

 

Play&Learn 森の遊びと学びゾーン

様々な体験ができるワークショップや遊びがいっぱいのゾーン。
森で見つけた枝にパン生地を巻きつけてたき火で焼く「たき火パン」や、森を楽しむネイチャーゲーム、木工作品が手作りできる体験コーナーも。大工さんが作った迫力たっぷりのクライミングウォールをはじめ、森の木と木にラインをはって渡るスラックライン、地域材で作った「ご当地スマートボール」なども登場し、子どもたちの元気な笑い声が響きました。

Play&Learn 森の遊びと学びゾーン
Play&Learn 森の遊びと学びゾーン

 

Wood Jobs 森と木のお仕事いろいろ

森ではたらく車の試乗体験や、丸太のシーソーなどが登場したこのゾーン。上伊那で育ったヒノキを使った「みんなでジャングルジム!」のコーナーでは、参加者も協力しながら、釘を使わないジャングルジムの組み立てに挑戦しました。林業、製材業、木工業、森を利用して電気を作る仕事、薪ストーブ・ペレットストーブに関連した仕事など、人と森が関わる仕事はたくさんあります。クイズや遊び、楽しいワークショップを通じて、森や木の仕事を知り、親しむ機会になりました。

Wood Jobs 森と木のお仕事いろいろ
Wood Jobs 森と木のお仕事いろいろ

 

Forest Path 森の小道ゾーン

会場内の小道を利用したこのゾーンでは「こども林業体験」が大人気。丸太切り、輪切り利用、カンタン木登りなど自然の木に触れ、身体いっぱいに森を感じる子どもたちの姿がありました。また「森の香り」の商品化を目指し商品開発を目指しているのが、ミドリナ委員会と上伊那農業高校のコラボレーションによる「かおりラボ」。ネズコやヒノキ、コウヤマキ、ノリウツギの4種で作られた芳香蒸留水と成分分析などのまとめが展示され、来場者がその香りを楽しみました。

Forest Path 森の小道ゾーン
Forest Path 森の小道ゾーン

 

森ジョイ
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より詳しい内容は
こちらをご覧ください

当日パンフレット

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